米ADPが新たに発表を開始した週次レポートとは?
ADPが週次の民間雇用者数を発表
昨日、米国のADPより突如として週次の民間雇用者数の発表がありました。
ADPは、10月11日までの過去4週間の期間において、民間部門の雇用者数が週平均で14,250人増加したと推定しています。
— 米金融ツイート和訳 (@bei_wayaku) October 28, 2025
同社は、今後このような週間推定値を毎週火曜日に発表すると述べています。
過去の一定期間(4週間)の民間雇用者数の週平均の値のようです。今後、毎週火曜日午前8時15分(日本時間では 22:15 ※冬時間の場合)にこのような週平均の値を発表していくようです。
ADP公式のプレスリリースはこちら(英語)です。AIによる簡易翻訳を最後に掲載していますので、日本語で見たい方はこのページの最後の方をご確認ください。
発表されるデータは少し前の週の数値
実際に発表されているデータを見ると直近(先週)のデータではなく、概ね6週間~3週間くらい前の期間(4週間分)の週平均の雇用者数の増減数のようです。ADPのプレスリリースに記載されている今後の発表スケジュールを参考にすると以下のように発表されると予想されます。
| 発表日 | 対象となる期間 |
|---|---|
| 11/11 | 9/28 ~ 10/25 の期間の週平均 |
| 11/18 | 10/5 ~ 11/1 の期間の週平均 |
| 11/25 | 10/12 ~ 11/8 の期間の週平均 |
| 12/3 | 11月分の月報(月次統計) |
これまで発表されていた月次の雇用者数(毎月第一水曜日に発表)も引き続き発表されるそうです。月次統計が発表される週は週平均の値は発表されないようですね。
週次レポートを始めた背景。雇用統計の代わりになるか?
元々FRBには以前から提供していたデータのようですね。今は政府閉鎖により雇用関連のデータが発表されなくなったので、少しでも雇用動向の参考になるように一般公開するようになったのではないかと思います。ADPのプレスリリースでも「最新情報をタイムリーに取得できるようにするために公開した」といった表現がありました。
しかし、この週次データを参考にする場合は少し注意が必要です。元々ADPの民間雇用者数のデータは調査対象サンプルが少ないのもあって、雇用統計で発表される非農業部門雇用者数とは差異があることで有名です。
月次のレポートでも雇用統計と差が出るようなデータなので、速報ベースの週次レポートとなると更に差異が出ることが予想されます。アナリストからは雇用統計の代替えにはならないといった意見もあるようですので、あまり妄信せず、あくまで参考程度にするのが良いのではないかなと思います。
ADP公式プレスリリースの日本語訳(AIによる翻訳)
ADP、週次ベースでの雇用速報の一般公開を発表
米国ニュージャージー州ローズランド — 2025年10月28日
ADPは本日より、米国民間部門の雇用変化を示す「ADP全国雇用レポート(National Employment Report)」の速報推計を、毎週火曜日に一般公開すると発表しました。この新たな週次レポートは、高頻度かつ詳細なデータに基づき、米国労働市場の最新動向を把握できるものです。
発表の背景と目的
この週次推計は、ADPリサーチとスタンフォード大学のデジタル経済研究所の協力により作成されるもので、「最新4週間の民間雇用者数の変化の移動平均」を提示します。目的は、リアルタイムかつ整然としたデータ提供によって、労働市場の方向性を示すことです。
初回公表値では、2025年10月11日までの4週間で、平均14,250人の雇用増が推計されています。
ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン博士は次のように述べています:
「過去20年近くにわたり、ADP全国雇用レポートを通じて無償で労働市場データを提供してきました。今回の週次データによって、経済にとって重要なこの時期に、より鮮明でタイムリーな雇用状況を捉えることが可能になります。」
月次レポートとの違いと継続
月初の第1水曜日には、引き続き月次の完全版レポートが発表されます。
この月次レポートには、2600万人以上の雇用者に関する匿名化された週次給与データや、1500万件以上の給与変動データが反映されます。
業種別、企業規模別、地域別などの詳細な雇用統計は、今後も月次レポートでのみ提供されます。
